債権回収の法律用語 - さ行
サービサー (さーびさー)
債権 (さいけん)
債権とは、ある人が、別のある人に対して金銭の支払いなどの特定の要求をできる権利をいいます。 債権を持つ人を債権者、債権によって要求を受ける人を債務者といいます。
債権回収会社 (さいけんかいしゅうがいしゃ)
債権回収会社とは、「債権管理回収業に関する特別措置法」という法律に基づいて特定金融債権の管理や回収を行うことができる株式会社のことをいいます。
サービサーとも呼ばれています。
原則としてこの法律で定められた基準を満たし、法務大臣の認可を受けた会社のみが営業できます。
(2009年3月現在で、全国に117社が認可を受けています
参照:債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧)
催告の抗弁権 (さいこくのこうべんけん)
催告の抗弁権とは、保証人が、
債権者に対して債務者に債務の履行を請求するまで自己の保証債務の履行を拒むことができる権利のことをいいます。
例えば保証人がこの権利を使うと、
「先に債務者に対して借金の返済を督促してください」などと主張することができます。
この権利は保証人には認められていますが、
連帯保証人には認められていません。
また保証人に認められているもう一つの抗弁権として、検索の抗弁権があります。
債務 (さいむ)
債務とは、ある人が、別のある人に対して金銭の支払いなどの特定の行為をする義務をいいます。 債務によって義務を負う人を債務者、その行為を要求する権利を持つ人を債権者といいます。
債務名義 (さいむめいぎ)
債務者に対して強制執行を行なう際に必要となる公的機関が作成した文書のことをいいます。 債務名義には次のようなものがあります。
- 確定判決
- 仮執行宣言付判決
- 和解調書
- 調停調書
- 執行認諾文言付公正証書
- 仮執行宣言付支払督促
差押 (さしおさえ)
差押とは、債権者の権利を実現するために、国が債務者に対して不動産や債権などの処分を禁止することをいいます。
原則として、強制執行の前段階の処理として行われます。
時効 (じこう)
時効とは、ある出来事から一定の期間が経過したことを主な法律要件として、
現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わずに、
その事実状態に適合するように権利や法律関係を確定させる制度のことをいいます。
時効は時間が経過することで完成しますが、当事者が時効の完成により利益を受けることを主張すること
(これを時効の援用といいます)で初めて、時効の効果が発生します。
時効の中断 (じこうのちゅうだん)
時効の中断とは、時効期間が経過する前に時効の進行が終了することをいいます。 時効の中断があった場合は時効の進行が終了するため、これまで経過した期間はゼロに戻ることになります。 この点において、時効の進行が一時的に停止する時効の停止とは異なります。
時効の停止 (じこうのていし)
時効の停止とは、時効の完成を一定期間猶予する制度のことをいいます。
内容証明郵便などの確定日付のある書面で相手方に催告することによって、時効の完成が6ヶ月間猶予されます。
時効の停止はあくまでも暫定的な措置のため、この6ヶ月間に
差押 ・
仮差押 ・
仮処分 ・
訴訟の提起
といった手続を行わなかった場合、時効の停止はなかったものとなります。
示談 (じだん)
示談とは、紛争を抱えている当事者がお互いに話し合いをし、譲り合って紛争を解決することをいいます。
執行認諾約款 (しっこうにんだくやっかん)
執行認諾約款とは、債務不履行の際に強制執行をされても異議を唱えないとする条項のことをいいます。 公正証書で契約書を作成した場合、この条項を付けておくことで裁判などの面倒な手続を行わずに強制執行を申し立てることができます。
支払督促 (しはらいとくそく)
支払督促とは、正式な裁判手続をしなくても判決などと同じように裁判所から債務者に対して金銭などの支払を命じる督促状を送ってもらえる制度のことをいいます。
裁判に比べて費用が安く済み、債務者からの異議がなければ早くて1ヶ月程度で強制執行の手続に移れるため、
主に少額な金銭債権を迅速に回収する手段として使われています。
なお金銭債権であれば特に金額を問わず利用できます。
少額訴訟 (しょうがくそしょう)
少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いを求める民事裁判について、各地の簡易裁判所で簡単・迅速に判決を得ることができる裁判制度のことをいいます。
原告本人が訴状を作れるように訴状の作成が簡略化されており、原則として一回の審理のみで判決が言い渡されるため、
あまり金額の大きくない債権の回収や本人訴訟などでよく利用されています。
消滅時効 (しょうめつじこう)
消滅時効とは、時効の制度のひとつで、 一定期間権利を行使しなかった場合にその権利が消滅したものとみなす制度のことをいいます。 債権についての消滅時効は短期消滅時効のあるものを除いて、 10年と定められています。
自力救済 (じりききゅうさい)
自力救済とは、侵害された自分の権利を法律によらずに実力行使で回復することをいいます。 これを認めてしまうとこれを認めてしまうと力のあるものが正義となり、実力行使を請け負う業者が出てくるなど社会秩序が維持できなくなるため、 日本では治安の維持のために原則として禁止しています。
相殺 (そうさい)
相殺とは、債務者が相手に対して同様の債権を持っている場合に、
双方の債務を同じ金額だけ消滅させることをいいます。
相殺はどちらか一方が相手に対して電話などで意思表示をするだけで効力が発生しますが、
いつ、どのような相殺の意思表示をしたのかを証拠として残すために、内容証明郵便で行うことが一般的です。
訴訟 (そしょう)
訴訟とは、国が司法権を行使して紛争を解決すること、またはそのための手続のことをいいます。
狭い意味では裁判所が厳重な手続を通して執り行う裁判のことをいい、強制執行の手続などとは区別されます。
即決和解 (そっけつわかい)
即決和解とは、当事者間で合意がまとまった段階で相手の住所を管轄する簡易裁判所に和解の申立てを行い、 示談の内容に基づき和解調書を作成することをいいます。 即決和解の和解調書は訴訟の確定判決と同様の効力があり、 和解内容が履行されなかった場合には強制執行が可能になります。
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